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膝内側部痛シリーズ 鵞足炎

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こんにちは。皆様いかがお過ごしでしょうか?

私は寒さが一年の中で一番苦手だったのですが最近では夏の蒸し暑さで夏場の方が苦手になってきました😅

早く春の暖かさのある季節が来て欲しいものですね😄

さて、本日は膝の内側部の痛みについて考えていきたいと思います。

膝の痛みの中で内側部は一番、痛みの訴えが多い部位でもあります。変形性膝関節症で膝がO脚変形をすることで内側部の圧力が強くなり様々な組織に影響が出てきます。

膝の内側の筋肉が短縮し硬まってしまうことでの痛みや伸張痛、あるいは大腿骨と脛骨を繋ぎ合わせている内側半月板や内側側副靱帯の痛みや膝蓋下脂肪体など様々な要因により痛みは引き起こされております。

病院などに行くとお医者さんから上記のような症状は全て「変形性膝関節症です」と一言で終わらせてしまうことが多いのが現状となっております。痛みがひどい場合は「関節が狭まって、軟骨がすり減って痛みが出ている」と言われ、お医者さんに「筋トレをして下さい。」と言われたり酷い場合は「膝を手術するしかありません」と言われてしまうこともあります。

実際に筋トレをしてみたけどあまり痛みが変わらず変化がない、、、と思われる方もいらっしゃると思います。

実は筋トレをすることで膝の痛みが悪化するなんてことも多々みられているのが現状です。例えば硬くなってしまった筋肉に対して筋トレをすると硬くなった筋肉が更に硬くなってしまい硬く肥厚し隣接する筋肉を圧迫してしまいます。

そうするとどうなるのか?本来筋肉同士は滑走性というものがあってお互いが滑りあって動きを出しているのですが、硬く肥厚してしまった筋肉は滑らず筋肉同士が癒着して筋膜が炎症を起こしてしまうのです。

そう考えるとまず最初にやらなくてはならないことは硬さのある筋肉を本来の柔らかさのある筋組織に戻していくという作業が必要になってくるわけですね💡

前回もお伝えしたのですが、そのために治療家はまずは

①硬くなった筋肉と隣接する筋肉の間を分ける②筋肉同士の間を離していく③筋肉同士の収縮や弛緩を繰り返すことで本来の筋肉の動きを出し滑走性させて痛みを取り除いていくのです。

このことを理解している理学療法士や柔道整復師などのセラピストはまだまだ数が少なく未だにマッサージをすることで良くしようとしていることが現状です。

話は元に戻して膝の内側部の痛みは多岐に渡ります。臨床でよくある膝の痛みを見ていきましょう。

これれは上記でご説明させて頂きました筋肉のお話で鵞足と言われる筋肉です😃膝の内側部痛での治療で必須となってくる筋肉になります。縫工筋、薄筋、半腱様筋の3種類の筋肉から構成されております。骨盤の上前腸骨棘や恥骨、恥骨結節から起始しており脛骨粗面というお皿の下側、脛骨の上部内側が停止部となっております。

作用としては主に膝関節の屈曲・内旋にする筋肉となります。鵞足筋は膝関節の動的安定性に関与しており過度に膝が内側に入る動作(knee in toe out 下腿外旋)が伴う場合は下腿が外旋され鵞足筋が過剰に伸張されてしますます。この時に薄筋には過剰な遠心性収縮のストレスが加わっております。ちなみに内旋力としては薄筋 40% 縫工筋 34% 半腱様筋 26%となっております。

鵞足部の痛みの組織の振り分けとしては

①薄筋単体 69%   ②薄筋と縫工筋 16%  ③縫工筋単独  8%と圧倒的に薄筋の痛みが著明となっております。つまり薄筋と縫工筋の治療をすれば鵞足炎は改善できてしまうのです。

ちなみに鵞足炎には2種類ありオーバーワークによる痛みである鵞足腱障害と鵞足包炎(滑液包炎)があります。鵞足腱障害はknee in toe outなどで鵞足筋を使い過ぎになると、筋スパズムや筋短縮を生じます。更に、摩擦刺激や牽引刺激が増強されて疼痛が引き起こされます。特に鵞足周囲は黄色い脂肪組織が多く癒着があると接着剤のように摩擦や牽引刺激は通常より強く生じてしまいます。

鵞足包炎は鵞足の付着部にある腱と骨の部分にある鵞足包に炎症をきたした症状となります。

更に鵞足筋である縫工筋や薄筋は停止部付近で縦軸繊維束と言われるバンドがありそこを通過しているので、停止部付近の治療ではこの縦軸繊維束も癒着を剥がす必要があります。また縦軸繊維束は下腿筋膜に連結しております。下腿筋膜は腓腹筋内側頭を覆うように存在しているので、鵞足は下腿筋膜の影響も受けやすいのです😲

薄筋腱と下腿筋膜が癒着すると滑走障害が起きます。試しに足関節背屈位で薄筋を伸張させると可動域制限が起こる場合は癒着が疑われますね。

なかなここまで詳細に記載に述べている文献も少ないのですが治療ではとても参考になりますね😃

ちなみに半腱様筋は脛骨粗面で停止しているとよく教科書やテキストには記載されておりますが実際は下腿中央付近まで走行しているのです😲

また、鵞足炎の原因の一つに腓腹筋の筋力低下があります。腓腹筋の筋力低下は鵞足構成筋を過剰収縮させ、それによって下腿筋膜が過緊張を起こし(腓腹筋の筋力低下を代償)鵞足に過度な伸張ストレスを生じさせて鵞足炎を引き起こすことがあります。鵞足が足関節低屈を代償するなんて目から鱗ですね。

今回は膝関節の内側部痛の一つをご紹介致しましたが、鵞足炎はknee in toe outの姿勢の方やサッカーやバスケットボールで下腿が外側に向いてしまう方に非常に多く見られる膝の内側痛になります。

先ほども述べましたが治療としては①硬くなった筋肉と隣接する筋肉の間を分ける②筋肉同士の間を離していく③筋肉同士の収縮や弛緩を繰り返すことで本来の筋肉の動きを出し滑走性させて痛みを取り除いていくのです。

鵞足炎では薄筋や縫工筋に痛みが生じやすいのでまずはこの2つの筋肉を上記のような手技を用いて治療していきます。その後はセルフストレッチを覚えて頂きご自分で鵞足に痛みが生じないようコントロールしていく必要があります。それでも治りが悪かったりする場合はパットを貼ったりインソールを入れたりしてknee in toe outを抑制していく必要があります。

ちなみになのですが縫工筋には大腿遠位部を走行する縫工筋のすぐ深層には伏在神経と言われる神経が通っております。大腿神経から伏在神経と枝を変え内転筋管(ハンター管 内転筋結節から6-8cm上)を通り膝蓋下枝と内側下腿皮枝に分かれていきます。伏在神経や膝蓋下枝と内側下腿皮枝が障害されてしまうと膝から下腿の内側部に痛みが生じ、この領域に疼痛や知覚鈍麻、痺れを認めるケースに対しては伏在神経痛を考慮する必要があります。

伏在神経はTKAのオペで内側広筋切開による伏在神経膝蓋下枝損傷もあると言われていますのでオペ後に痛みや痺れ、感覚鈍麻がある場合は少し疑っても良いかもしれませんね。

伏在神経の治療としては縫工筋〜大内転筋〜内側広筋の筋肉を緩めたり滑走性を図ることで伏在神経の刺激が緩和され伏在神経性疼痛は緩和されていきます。

最後に伏在神経の評価の目安を載せておきますね😀

①縫工筋に圧痛があるかどうか②股関節外転位における膝関節伸展痛は起きるか?③縫工筋の伸張テスト

④大内転筋の伸張テスト(股関節屈曲・外転)⑤内側広筋の収縮で痛みが出るのかどうか?

以上5つが伏在神経の痛みがあるかもれない?と評価できるので怪しい方は評価しても良いかもれませんね🤚

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